当協議会の目的と役割

次世代を担うこどもたちの健全なる育成と、子育てを取り巻く社会環境が恒久的に平和であることを願い、さまざまな環境の変化においても、こども一人ひとりが平等に愛情に満ちて育てられることを保障し、地域社会の人と人とのコミュニケーションを通して、こどもの心が豊かに育つ社会の実現を願い活動してまいります。

さまざまな事業者との交流と連携を図り、多様な子育てのニーズに対応し、こどもが育つ環境、こどもを育てる環境の構築を社会全体で支援するなど、使命と責任を持って社会性の高い活動を進めてまいります。

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【事業計画策定に当たっての基本的考え方】

1.保育を取り巻く現状と課題

待機児童問題は、国会での質疑や入所できなかった保護者による異議申し立てが何件も行われるなど、大きな社会問題となっています。2014年4月には前年度比4万6千人も入所定員が増えたにもかかわらず、2015年4月時点では、隠れ待機児童を含めた待機児童数は約6万人となっています(厚生労働省発表)。

このような状況を踏まえ、国においては、2016年度の待機児童緊急対策として、小規模保育事業の定員上限を19人から22人に拡大、一時預かり事業の定期利用化、国が定める最低基準より手厚い保育士配置等を行っている自治体に対し、受け入れを増やすよう要請などの対策を講じることとされました。

しかし、現在の待機児童解消策は、量の確保に重点が置かれた対策が中心であり、保育の質の向上に向けた対策は十分ではありません。特に、待機児童緊急対策は、保育の質の低下を招く懸念があります。

待機児童解消の緊急対策としてやむを得ない面はありますが、同時に、入所したこどもの保育・教育の質的向上を図る対策の拡充が求められます。

加えて、保育所で中心的役割を担う保育士については、その確保の困難さが一段と深刻化しています。保育士の有効求人倍率は、全国平均で1.74倍、東京都は最も高く4.63倍(2014年1月)となっています。

国においては、2017年度までに新たに約7万人の保育士確保を目標に設定し、キャリア・パスなどの処遇改善をはじめ、修学資金の貸付、潜在保育士の就職支援、保育士試験の年2回実施などの対策を講じたところです。

しかし、日本保育士協会のアンケート調査(2013年3月)によれば、7割の保育園でハローワーク等で募集しても応募がないとの回答であったとのことです。また、厚生労働省の調査(2013年3月)では、資格を取得しても半数近くが保育所に就職していません。その理由として賃金が希望と会わないと回答した人が半数近くに上っております。先日、厚生労働省が公表した全職種の平均月額賃金が32万円であるのに対し、保育士は21万円と11万円も低いというデータも、これを裏付けています。このように、保育士の処遇の不十分さは依然として解消されていません。

新制度では、乳幼児期における質の高い保育・教育の提供を掲げており、複雑多様化するこどもや子育て家庭のニーズに的確に対応していくためには、保育士はより高度の専門性が必要となります。このような保育士を確保養成していくには、保育士の専門性が社会的に正当に評価され、それに見合った処遇がなされるなど、魅力ある職業となるような制度設計が不可欠と思われます。

内閣府によれば、保育のピークは2017年度末とされておりますが、6万人の待機児童を解消するためには、60人定員の保育所を1.000か所も作らなければならず、保育士の確保とともに、まだ道半ばという状況です。

しかしながら、児童人口は一貫して減少傾向にあり、それほど遠くない時期に待機児童は解消に向うことが予測されます。それだけでなく、地域によっては3歳以上児を中心に空き定員を抱える保育所が増加するなど、保育の需給に逆転現象が出現してきます。

子ども子育て支援新制度になっても、東京都の認証保育所は依然として「認可外」のままであり、全国各地にある会員事業者の保育所も「認可外」とされているものが多数あります。これらの認可外保育所に入所しても潜在的待機児童にカウントされていることが示しているように、社会的には認可保育所の補完的位置づけであり、認可保育所と同等の選択肢にはなり得ていません。制度の埒外に置かれる認可外保育所は、需給の逆転現象が顕著となってきたときに、真っ先にその影響を受けるといっても過言ではありません。今から対応策を検討し周到に準備していく必要があります。

2.当協議会のこれまでの取組

当協議会は、本年6月に10周年という節目の年を迎えます。

設立当初は、個人若しくは株式会社が運営する東京都認証保育所を運営する事業者が大半を占めていました。現在では、北海道から九州に至るまで、全国の社会福祉法人、NPO法人、株式会社、学校法人、社団法人など多様な事業主体で構成されています。運営する施設も、東京都認証保育所のほか全国の認可外の保育所、同じく全国の認可保育所、学童クラブなど多種に及ぶ団体となりました。これまでの保育事業者は、公立か社会福祉法人がほとんどであり、当協議会のような保育団体は他にありません。

複雑多様化する保育ニーズに的確に対応していくには、多様な事業者が保育事業に参入して活性化を図り、かつ、それぞれの特色を活かしながら、相互に切磋琢磨し、保育サービスの向上を図っていくことが重要です。このような考え方に基づき、当協議会は、国や自治体の審議会等への参画に加え、保育に関する情報の収集発信、関係団体等との交流、講演会など、あらゆる機会を捉え、行政はもとより、社会全体に対し、この考え方の理解促進に努めてきました。

もとより、すべての会員事業者は、それぞれの地域で、真摯に保育サービスの向上に取り組んできました。その結果、利用者をはじめ、国や都、多くの基礎自治体から信頼を獲得することができました。この信頼獲得の努力が、会員事業者の保育所数が平成28年4月1日現在1,305か所という結果に表われており、このことが待機児童の解消にも少なからず貢献できたものと考えております。

3.今後の取組の方向

多様な事業主体の会員と多業種の賛助会員からなる全国組織にまで発展してきた当協議会は、設立10周年を機に、これまで歩んできた道を振り返り、「次の10年」を見据え、設立の理念である「こどもの心が豊かに育つ社会の実現」に向けて、全国に及ぶ活動が十分行えるよう、体制強化を図りつつ、課題解決に取り組んでいきます。

この考え方のもとに、平成28年度は、次の課題別事業計画に基づき取組を進めていきます。

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【課題別事業計画】

1. 計画のポイント

(1)体制の強化 各種課題への取組が効果的、効率的に行えるよう、部会及び委員会を見直し、別紙のとおり組織を改編します。


(2)重点課題の設定 特に力を入れて取り組む課題を重点課題とし、これを所管する部会・委員会は、強化して取り組みます。

重点課題を所管する部会・委員会は、①東京都認証保育所部会、②こども育成部会(横浜保育室・川崎認定保育園等)、③会員拡大委員会、④保育士確保対策委員会の4組織とします。
10周年記念事業も重点課題としますが、その所管は役員会とします。


(3)事務局体制の強化 協議会運営の基盤強化と業務の円滑化を図るため、事務局体制を強化します。

2. 重点課題

(1)東京都認証保育所部会 平成27年度に研究員会「認証等認可外保育制度研究小委員会」での事業をさらに発展させるために、平成28年度は「東京都認証保育所部会」として東京都認証保育所制度に特化した活動を行います。

東京都認証保育所制度以外の認可外保育施設については、こども育成部会にて活動を行います。東京都認証保育所部会では、制度の特性、機能としての利点、同時に問題点を明確にし、今後の認証保育所のあり方について研究、提言をしていきます。子ども・子育て支援法下では、給付対象外である東京都認証保育所であるが、東京都における保育施策として待機児童解消のみならず、保育・教育的観点からも重要な役割を担っています。

今後、社会資源としてどのような機能を持つことが求められ、その可能性を発揮していくことができるのかを検討し、発信していきます。

【具体的事業内容】
① 年間数回の事業者、保育者等による意見交換会を行います。
② 平成27年度に実施した「東京都認証保育所事業者向けアンケート」の結果
をさらに分析し、今後の調査研究へつなげていきます。
③ 東京都認証保育所の利点をいかした保育の特性を明確化し、保育内容の充実を図るための研究、さらに研修委員会とも連携して研修を行います。


(2)こども育成部会(横浜保育室・川崎認定保育園等) 平成27年度に研究委員会活動として行った「これからの保育・教育小委員会」での事業を土台にし、「こども育成部会(横浜保育室・川崎認定保育園等)」として新たに活動を行います。特に、小規模保育事業、事業所内保育事業、地域子育て拠点事業など、いわゆる地域型保育給付による事業に焦点をあてながら活動を行います。

また、横浜保育室、川崎認定保育園などの地方単独型の補助事業による認可外保育施設にも焦点をあて、その有用性を明確にしながらも、抱える課題、問題点などを制度と保育内容の両面から調査研究し、今後の展開について考えていきます。

平成27年度の研究委員会の事業案として「事業者同士の意見交換」また「保育内容についての意見交換」を提案したが、実現できていません。この反省に立ち、今年度は年間数回の意見交換会を実施していきます。


(3)会員拡大委員会 当協議会の理念である「こどもの心が豊かに育つ社会の実現」に向け、より多くの力が結集できるよう、また、会員相互が連携と切磋琢磨を行い、保育サービスの向上が図れるよう、会員及び賛助会員の獲得に取り組んでいきます。

【具体的事業内容】
① 新規の会員及び賛助会員の獲得に向けて活動を強化していきます。
② 関東近郊をはじめ、全国に視野を広げた会員の獲得に向けて活動を強化していきます。
③ 現賛助会員の継続へ向けて、フォローアップを行います。


(4)保育士確保対策委員会 保育士不足の昨今、厚生労働省、自治体及び他の保育関連団体へのリサーチ、交渉なども含めて調査研究を行うとともに、具体的施策を立案、実施し、会員事業者の保育士確保・育成・定着化の実現を図ります。

【具体的事業内容】
① 離職防止対策
・平成27年度に実施した保育士定着施策調査について、厚生労働省、自治体への報告を行い、
理解、協力につなげていきます。
・処遇改善率、離職率等の継続調査をおこないます。
② 保育士確保対策
・保育士養成校との連携を具現化するために、マイナビなど求人媒体業者の支援を要請し、民間企業への偏見を払拭させること、保育士の確保を目的に説明会・就活セミナーなどを企画実施します。
・研修委員会との連携による保育士養成研修を実施します。
・自治体が行う平成28年度子育て支援員養成講座を育成協議会が受託した場合、その参加者を募集する活動をおこないます。

③ 保育士育成対策
保育士のキャリアパス構築化を図り、保育士の定着、社会的な認知、地位の向上を図るため、厚生労働省に「保育士の職業能力評価基準」の整備を働きかけるためのリサーチ、準備を行います。


(5)10周年記念行事 当協議会設立10周年を迎えるに当たり、次により記念行事を開催することとし、その具体的内容等については、役員会で検討していきます。

開催時期:平成28年12月5日(月)13:00~18:30
開催場所:京王プラザホテル新宿区西新宿2-2-1
内容   :講演会及び懇親会
      (具体的内容は役員会で検討)
招待者等:関係行政庁・議会、学識経験者、保育士養成校、マスコミ等

3. その他の主要課題

(1)認可保育所部会 ① 株式会社等が経営する保育所の経理は、企業会計で処理されているため、行政に対しては社会福祉法人会計に再処理して報告等に対応しています。また、報告の書式等も自治体によって異なります。このため、事業者にとっては、煩雑で二度手間であり、過重な負担を余儀なくされています。
両会計に詳しい専門家の助言等を得ながらこの課題を検討し、国や関係自治体に改善を働きかけていきます。
② 株式会社立の認可保育所や認定こども園については、子ども子育て支援新制度に則って運営しており、この点では、社会福祉法人立の認可保育所となんら変わりはなく、抱えている共通の課題も数多くあると思われます。
保育サービスを提供する同じ事業者として、社会福祉法人等が加盟する他の保育団体と連携して課題解決に取り組んでいけるよう、交流を深めていきます。


(2)広報・公聴委員会 保育を取り巻く環境の大きな変化に対応すべく、会員の意見や要望等情報の収集を行い、また、その要望等をとりまとめ、積極的かつ戦略的に情報発信を行っていきます。

【具体的事業内容】
①ホームページによる研修会、講習会等各種情報の配信
②ホームページの更新、会員施設紹介、理事会議事録 等
③ホームページアクセス情報の集積
④各種イベントの撮影、取材、録画
⑤フォーラムパンフレット、賛助会員の広告用スライドショーの作成・投影
⑥公聴会の開催


(3)研修委員会 保育事業の根幹を成すこどもが育つ環境、こどもを育てる環境の整備への取り組みを推進し、質の高い保育の提供、地域から信頼される保育を目指します。

【具体的事業内容】
① 質の高い保育の提供新任研修、中堅研修、主任・園長研修、テーマ別研修など、総合的な研修計画を策定し、実施していきます。この他、他の保育所への派遣研修なども検討し、研修制度の充実に取り組んでいきます。
② 地域から信頼される保育の実践各会員事業者において、地域の子育て家庭の育児相談や育児講座などに取り組むほか、地域行事への参加などを通じ、これまで以上に相互理解を深め、地域との信頼関係が増すよう努めていきます。


(4)経営強化・リスク管理委員会 平成27年度より引き続き、会員事業者が運営に伴う様々な課題の中で共通 課題を選択し、かつ優先課題を決め、会員事業者が現在の社会環境の中で保育ニーズをどのように捉え、どのように行動したら安定した事業運営ができるのかを考えていく場を計画・実施をしていきます。
さらに10周年を迎えた当育成協議会が、さらに公益社団化を目指して大きく成長していくための活動をいたします。

【具体的事業内容】
① 経営にかかる課題検討
保育事業経営者及び施設長対象の研修会開催予定 年2回程度
② 公益社団化に向けての調査・計画 委員会開催4回

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【組織の改編】

【組織の改編】

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